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ブログ記事(28)
- 【イベント報告】「リサイクル型社会をリテールとマーケティングで促進するには?」(3/6 第71回NRLフォーラム)
2025年3月6日、NMPLABとNext Retail Labの合同イベントが開催された。 Next Retail Labとは、「次世代の小売流通」をテーマにした研究会で、製造から小売りまで、さまざまな業種に関する調査研究や、マーケティング視点での提言などを行う任意団体である。 今回は「リサイクル型社会をリテールとマーケティングで促進するには?」をテーマに、参加者全員で持続可能な流通とマーケティングの在り方について議論が行われた。 さらに、本イベントでは株式会社Ripplesが提供する革新的な容器技術を取り上げ、CO2削減や資源削減、障がい者雇用創出など、多面的な視点からサステナブルな未来を考える場となった。 講演には 株式会社Ripplesの荒裕太氏と原田雄司氏、そして、地球もわたしも元気になる合同会社代表の神馬彩夏氏が登壇。実務経験に基づいた講演内容は、多くの刺激と洞察を与えるものであった。 また、講演後にはNext Retail Labの理事をはじめとする参加者によるディスカッションが行われ、リサイクル型社会実現に向けた具体的なアイデアや課題解決のヒントが共有された。 本レポートでは、これらの講演やディスカッションを基に、リテールとマーケティングの新しい可能性について考察する。 ■講師: 荒裕太氏 株式会社Ripples 代表取締役 原田雄司氏 株式会社Ripples 共同創業者 神馬彩夏氏 地球もわたしも元気になる合同会社 代表 ■ゲスト: 株式会社Dole ■ホスト: 菊原正信氏 フィルゲート株式会社 代表取締役(Next Retail Lab 理事長) 藤元健太郎氏 ディー・フォー・ディー・アール株式会社 代表取締役社長(Next Retail Lab 常任理事) 江端浩人氏 江端浩人事務所代表 次世代マーケティングプラットフォーム研究会 主宰 目次) 講演: 第1部:株式会社Ripplesによるリサイクル型社会の促進 1.はじめに:株式会社Ripplesの使命と背景 2.会社概要と創業の経緯 2.1 創業メンバーと専門性 2.2 主な事業領域 3.水平リサイクル容器「P&Pリ・リパック」 3.1 製品の特徴とメリット 3.2 導入事例と運用方法 4.社会福祉と教育支援の取り組み 4.1 障がい者雇用の創出 4.2 こども食堂との連携と効果 5.今後の展望 5.1 環境分野でのさらなる活用 5.2 防災・教育・福祉分野での活動拡大 6.まとめ:社会課題解決型ビジネスモデルの可能性 第2部:地球もわたしも元気になる合同会社の取り組み 1.イントロダクション:2050年を見据えたビジョン 2.会社概要とミッション 2.1 地域コミュニティ強化の重要性 2.2 ゴミ問題解決の多角的アプローチ 3.主な取り組み:エコルシェを中心に 3.1 規格外食材の活用とB型事業所の支援 3.2 クラウドファンディング成功事例 3.3 子ども服のおさがり交換会 4.今後の課題と展望 4.1 消費者意識改革の深化 4.2 地域経済循環モデルの強化 5.まとめ:地域と地球に優しい未来を目指して 第3部:株式会社Doleの取り組み 1.はじめに 2.主な取り組み 2.1こども食堂・フードバンク・被災地支援 2.2食育活動 2.3環境配慮型パッケージの導入 3.「もったいないバナナ」プロジェクト 3.1背景と目的 3.2活動内容 3.3オフィス向けデリバリーサービス 4.「もったいないフルーツアクション」 4.1目的 4.2活動方針 5.まとめ ディスカッション:リサイクル型社会実現に向けたアイデアや課題解決のヒント ・日本の文化と行動変容 ・社会的活動とエコシステム まとめ リサイクル型社会をリテールとマーケティングで促進するには? (荒裕太氏 株式会社Ripples 代表取締役、原田雄司氏 株式会社Ripples 共同創業者) はじめに 本講演では、環境問題への挑戦、福祉の促進、防災対策、教育支援を通じて社会に貢献する新しいビジネスモデルが紹介された。株式会社Ripplesのミッションや事業内容について具体的な取り組みが解説され、参加者にとって社会課題解決の実践的なアイデアが得られる内容であった。 株式会社Ripplesの創業と事業展開 会社概要 株式会社Ripplesは、2023年7月に創業され、東京都渋谷区恵比寿を本社に構えるスタートアップである。 創業メンバーは、約20年間人事領域に従事してきた荒裕太氏と、10年間樹脂領域に従事してきた原田雄司氏。両者の専門性を活かし、次の3つの事業に注力している。 水平リサイクル容器を活用した取り組み 障がい者雇用に関するマッチング事業 こども食堂支援プロジェクト 会社ミッション 「都市資源を活用して、ソーシャルソリューションを提供する」を掲げ、環境、福祉、防災、教育の4つの軸で社会の変革を目指している。 水平リサイクル容器「P&Pリ・リパック」の詳細 水平リサイクル容器の特徴 Ripplesが開発した「P&Pリ・リパック」は、プラスチック容器とフィルムで構成されており、使用後にフィルムを剥がすだけで容器を汚さずリサイクル可能である。これにより以下の効果が期待される: ● ゴミ重量比97%減少 ● 100枚使用あたり約4.2kgのCO2削減 ● 水を使用せず洗浄不要 導入事例 同容器は、全国176の大学、洞爺湖サミット、東京オリンピックなどの国際イベント、大手テーマパーク、そしてこども食堂を中心に導入されている。防災用途としても、災害避難所での炊き出し支援に使用され、環境負荷を大幅に削減する実績を上げている。 運用方法 社会福祉と教育支援の取り組み 障がい者雇用の創出 剥がせるフィルムの製造工程には、障がい者の手作業が取り入れられており、これにより新たな雇用機会が生まれている。 こども食堂との連携 水場や人手不足などの課題を抱えるこども食堂において、「P&Pリ・リパック」は革新的なソリューションとなっている。容器を使用することで、ゴミ削減、コスト削減、時間短縮が実現し、ボランティア活動の効率化に寄与している。現在、全国30か所以上のこども食堂で導入されており、防災支援の拠点としての役割も期待されている。 今後の展望 Ripplesは、以下の分野でさらなる事業拡大を目指す: 環境分野 : 大手外食チェーンやコンビニへの容器導入交渉。 防災分野 : 自治体と連携し、避難所での容器使用を推進。 教育分野 : リサイクル勉強会や講演活動。 福祉分野 : 障がい者雇用の拡大とコンサルティング。 また、大阪万博での容器導入や、カトラリーのアップサイクル事業にも取り組む予定。 まとめ 株式会社Ripplesは、プラスチックを捨てない時代を実現し、社会課題を解決する革新的なビジネスモデルを構築している。本講演を通じ、環境負荷削減と社会福祉の推進を両立する事業の重要性が再認識された。今後の活動がさらに注目される企業である。 地球もわたしも元気になる未来を目指して (神馬彩夏氏 地球もわたしも元気になる合同会社 代表) はじめに 2050年にも人間らしい暮らしを実現するために、地域コミュニティや消費者の意識変革を通じたゴミ問題解決に取り組む神馬彩夏氏の活動が紹介された。地球環境への配慮と地域活性化を両立する取り組みや、エコルシェの具体的な事例が詳細に語られ、参加者にとって持続可能な社会の実現に向けた具体的なヒントを得られる内容であった。 会社概要とミッション 地球もわたしも元気になる合同会社 は、神馬彩夏氏が横須賀を拠点に立ち上げた組織で、主にゴミ問題の解決を通じて「2050年にも地球も人も元気でいられる社会」の実現を目指している。特に「エコルシェ(エコなマルシェ)」を中心とした活動を通じて、次のようなゴールを掲げている: ● ゴミを減らすことで地域コミュニティを強化する ● 経費削減や健康寿命の向上を促進する ● 地域経済の循環モデルを構築する また、「わたしのきっかけ」を創出することをミッションとし、ゴミ問題を多角的に捉える機会を提供している。 主な取り組み エコルシェ (=”エコ”な”マルシェ”)を通じて、次のような具体的な行動変容を促している。 実例と成果 ● 規格外食材の活用 :地元の牧場の牛乳と規格外のバナナを組み合わせたバナナミルクを作り販売。この過程で、B型事業所を活用することで、すべての人が参加できる働き方を提供している。 ● クラウドファンディング :キッチンカー導入のため35日間で240万円を調達し、350名の支援者から協力を得た。 ● 子ども服のおさがり交換会 :地域の子育て支援センターと連携し、年2回開催。一日291枚の衣服が次の利用者のもとへ旅立った実績がある。 (実際の画像) 今後の課題と展望 神馬氏は、環境問題における消費者意識の改革をさらに深めるため、以下の課題に取り組む必要性を述べた: ● 店側が選択肢を増やす :消費者がよりエコな行動を選べるよう、提供するサービスや商品の幅を広げる。 また、ゴミ問題解決の取り組みを通じて、地域の社会資本増加や健康寿命向上、経済の循環モデルをさらに強化し、「 地球もわたしも元気でいられる未来 」の実現に向けて活動を続けていく方針を示した。 まとめ 神馬彩夏氏の活動は、環境問題だけでなく地域社会全体に好影響をもたらす革新的な取り組みとして注目される。講演では、地域経済やコミュニティの活性化を通じて、持続可能な未来を築くための具体的なアプローチが共有され、参加者にとって貴重な示唆が得られる内容であった。 株式会社Doleの取り組み はじめに 株式会社Doleは、フルーツの生産・販売を通じて「フルーツでスマイルを。」というブランドメッセージを掲げ、消費者とのコミュニケーションを図っている。単に商品を提供するだけでなく、地球環境を笑顔にすることを目指し、持続可能な社会の実現に向けた多様な活動を展開している。 主な取り組み Doleは社会貢献活動の一環として、以下のような取り組みを行っている。 ● こども食堂・フードバンク・被災地支援 ○ 年間117トン(約1800万円相当)のバナナを提供している。 ● 食育活動 ○ 幼稚園へのキャラバンを通じて、バナナの栄養素や食の大切さを伝える。 ● 環境配慮型パッケージの導入 ○ プラスチック削減を目指し、紙パッケージの導入。 ○ フードロス削減のため、バナナの量り売りを実施(主に都内スーパーで展開)。 「もったいないバナナ」プロジェクト 「もったいないバナナ」プロジェクトは、規格外のバナナを有効活用する取り組みで、2021年9月に開始された。 背景と目的 ○ フィリピン産のバナナだけで年間約2万トンが規格外として廃棄されている現状を受け、フードロス削減と資源の有効活用を目指す。 活動内容 ○ バナナジュース専門店やカフェ、加工食品メーカーと提携。 ○ 参画企業は50社以上、商品展開数(SKU)は60点以上。 ○ コンビニ(ファミリーマート、ローソン、セブンイレブン)、コーヒーチェーン(スターバックス、ドトール)でも商品展開。 オフィス向けデリバリーサービス ○ 2023年10月に開始し、約半年で60社以上に導入。 ○ SDGsへの貢献が社員のモチベーション向上に繋がるとの調査結果も。 「もったいないフルーツアクション」 2023年10月に新たに開始された「もったいないフルーツアクション」は、規格外フルーツの有効活用をより広範に進めるプロジェクトである。 目的 ○ 取り扱うフルーツの種類を拡大し、国産・輸入を問わず規格外フルーツのアップサイクルを推進。 活動方針 ○ 「もったいないバナナ」で構築したプラットフォームを活用し、幅広いフルーツを対象に社会全体でフードロスに取り組む。 まとめ 株式会社Doleは「フルーツでスマイルを。」というブランドメッセージを軸に、フードロス削減や環境負荷軽減を目指したさまざまな活動を展開している。特に「もったいないバナナ」プロジェクトは、企業間の垣根を超えた取り組みとして拡大を続け、さらなる社会貢献を目指している。今後も「もったいないフルーツアクション」を通じて、持続可能な社会の実現に向けた活動を推進していく予定である。 【ディスカッション】 リサイクル型社会実現に向けたアイデアや課題解決のヒント 講演に続き、参加者によるディスカッションが行われた。一部を抜粋して紹介する。 リサイクルペットボトルの導入について、過去には「一度捨てたものをまた消費者の口につくものに変えるのはいかがなものか」という意見もあり、リサイクルペットを使用することに抵抗があったが、エコをテーマにした新しい製品が登場したことで、リサイクルペットボトルを飲料に使用することへの理解が深まり、現在では一般的に使用されるようになった。一方、瓶のリサイクルについては、リサイクルとしての優位性がある一方で、洗浄や輸送にかかるコストや、瓶の重さによる輸送効率の低下が問題として指摘されている。これにより、瓶のリサイクルは一見効率的に思えるが、全体的な環境への影響を考慮すると、改善すべき点が多いことが示唆されている。そのためリサイクルペットボトルの登場により、オペレーションの問題においてはかなり変わってきていると言える。 日本の文化と行動変容 日本人は特に衛生面に厳しく、人間中心の視点が強いとされている。例えば、過剰包装や衛生管理に対する強い意識があり、それがゴミ問題や環境問題に繋がっている。これに対し、海外ではエコ意識が高く、環境に優しい方法で物を購入したり使ったりする文化が広がっているが、日本では異物混入などを懸念し、そうした方法には抵抗感がある。また、プラスチックの使用についても、日本は大量のプラスチックを使用しており、その高機能化により消費期限を延ばすなどの経済的な理由からプラスチックが多用されている。しかし、この結果としてゴミが大量に発生し、環境負荷が増している。これを改善するためには、上位からの指導だけでなく、個人やコミュニティからの行動変容を促す必要があり、社会全体での意識改革が求められている。 さらに、行動変容を促すためのアイディアとして、ゲームフィケーションや報酬制度、リターナブルな容器の導入などが提案されている。例えば、ゴミ拾いやリサイクル活動に対してポイントを与えることで、参加者のモチベーションを高める方法が考えられている。これにより、環境に対する意識を高めるとともに、行動を促進することが可能になると期待されている。 最終的には、プラスチックの税金やリユースのインセンティブを高めることで、環境に優しい行動を促進する社会的な仕組みを作り、持続可能な社会を実現することが目指されている。 社会的活動とエコシステム 子ども食堂の支援活動を通じて社会的変容を促し、地域エコシステムを活性化させる取り組みも行われている。子ども食堂は単なる食事の提供だけではなく、地域コミュニティとの交流、食育、社会的支援を提供する場である。しかし、経済的に困窮している子どもたちが行きにくいという偏見があるため、そのアクセスの障壁を取り除くことが必要である。また子ども食堂が持つ社会的な意味は、貧困層への支援にとどまらず、地域のつながりを生み出すことにもある。地域の親同士が交流する場を提供し、子どもたちの社会性を育むことが求められている。 そして子ども食堂の活動を支援するため、企業や自治体との連携が重要である。特に、食品ロス削減に関する取り組みを通じて、食べ物の寄付や食育イベントの実施など、地域経済にも貢献しつつ社会問題に対処している。また企業の社会的責任(CSR)として、地域貢献やエコシステムにおける役割を果たし、子ども食堂の活動が社会的に認知されるような仕組みを作り上げている。例えば、企業版ふるさと納税の導入など、税制優遇を活用して地域支援を促進している。 しかし子ども家庭庁が子ども食堂に助成金を出す動きがあるものの、その実効性については疑問が残る。子ども食堂の数を増やすことが目的となりがちで、その先にある「子どもたちが幸せになること」を最終目標に据えるべきだという意識の重要性が強調されている。国の支援が単なる数の拡大にとどまらず、質の高い支援へと進化することが求められている。 子ども食堂は地域社会における重要なエコシステムの一部を成している。地域資源(例えば、食材やボランティア)を活用し、地域住民が互いに支え合うネットワークが形成されている。地域の問題解決には、自治体、企業、住民の協力が不可欠である。地域内での情報共有や連携を強化することが、持続可能な支援体制の構築に寄与する。 そして子ども食堂を通じて、食糧廃棄を減らすことが可能になり、食品ロス削減が進む。これにより、環境に対する配慮も行われ、持続可能な社会の実現に向けた一歩を踏み出している。また企業や自治体、メディアとの協働が、社会全体での「持続可能な未来のための変革」を促進するエコシステムを作り出している。 このように、子ども食堂は単なる食事提供の枠を超えて、社会的な変容を促し、地域社会内でのエコシステムを活性化させる重要な役割を担っている。 まとめ 本講演では、複数の企業がそれぞれの視点からサステナビリティに対する取り組みを紹介した。各社は持続可能な社会の実現に向け、環境負荷の低減、資源の有効活用、循環型経済の推進に注力しており、製品設計の見直しや新しい技術の導入を通じて課題解決に取り組んでいることが示された。また、企業間の連携やステークホルダーとの協働が重要であることが強調され、長期的な視野に立ったサステナビリティ戦略の必要性が共有された。 またディスカッションでは、企業がサステナビリティを推進するうえで直面する課題と解決策について活発な意見交換が行われた。特に、環境負荷の低減と経済性の両立、消費者の意識改革、業界全体での協力体制の強化という三つのテーマが中心となった。環境負荷の低減と経済性については、持続可能な原材料の採用や製造プロセスの改善が重要であり、長期的な利益を見据えた投資が必要であることが確認された。消費者の意識改革に関しては、企業からの情報発信を強化し、消費者に選択肢を提供することで行動変容を促すべきだとの意見が出た。業界全体での協力体制については、共通の目標設定や情報共有を通じて持続可能な社会の実現に向けた協働が不可欠であることが強調された。これらの議論を通じて、個々の企業の努力だけでなく、社会全体での意識と行動の変革が求められていることが再確認された。 文: 青山学院大学経営学部マーケティング学科 杉木莉沙子、青山学院大学経営学部経営学科 柴田凜
- 【イベント報告】第70回 Next Retail Lab フォーラム「老舗から学ぶ企業の存続」(2025/1/23)
2025年1月23日、第70回となるNext Retail Labとは、「次世代の小売流通サービス」をテーマにした研究会であり、製造から小売りまで様々な業種に関する調査研究や、マーケティング視点での提言を行う任意団体である。 今回は、「老舗から学ぶ企業の存続」をテーマに、伝統ある入浴剤メーカー、バスクリンの松崎哲示氏が、企業存続の秘訣やサステナビリティを軸としたものづくり、時代に即した製品戦略について講演が行われた。温泉文化を未来につなぐ同社のこだわりが印象的な講演内容であった。 また、講演に続き、Next Retail Labのフェローも参加したディスカッションが行われ、現代人の入浴スタイルの変化における課題や戦略について多角的に議論が交わされた。 講演概要 本講演では、バスクリンの創業から現在に至るまでの歴史、製品開発における理念や市場変化への対応が解説された。また、入浴文化の新たな価値創造やサステナビリティへの取り組みも紹介され、実践的な示唆に富む内容となった。 バスクリンの歴史と成長 1930年にブランドが誕生。婦人薬の「中将湯」の製造過程で発生した切れ端を湯船に入れると体が温まるというところから入浴剤の発想が生まれた。そして、「植物の活用」を原点とし、温泉成分、香り、色の要素を取り入れた製品開発を行った。また、高度経済成長期において、内風呂の普及により「温泉のような入浴剤」が市場に求められた。温泉地の成分や湯触り、情緒を再現する製品開発に注力するようになった。温泉の成分、湯触り、香りを商品で再現するため、温泉地でのフィールドリサーチを重視し、肌触りや情緒的な体験までも商品設計に取り入れている。 入浴剤開発の裏側 バスクリンは品質へのこだわりから、従業員が実際に入浴して評価するほど厳格な開発体制を敷いている。浴槽ごとの色再現テストや香りの拡散具合、さらには人口気候室での効果測定など、科学的なアプローチも重視。最近では「入浴と睡眠の質」に関する研究も進行中である。シャワーと比べ、浴槽浴は交感神経を落ち着かせ、深い睡眠に寄与することが分かっている。また、SNSを活用した啓発活動にも積極的であり、最適な入浴タイミングや入浴方法(半身浴など)を伝えることで、若年層を中心に「お風呂文化」を再認識させる工夫がなされている。 サステナビリティと地域活性化への取り組み エコ活動の推進 エコ検定を全社員が受験し会社全体でエコについての知識理解を深める取り組みを行っている。また、森を再生するプロジェクトを展開し、森林整備活動を行っている企業の活動を支援するなど、入浴に関係した、水の資源を守る活動を推進している。 温泉地との連携 温泉地の活性化プロジェクトに取り組み、寄付活動やユネスコ文化遺産登録を目指した署名運動も実施している。また、寄付金を募り、温泉地の活性化に充てるなど、製品開発の参考になっている温泉地への敬意を払っている。 グローバル展開と海外戦略 現在多くの国へ製品の輸出を行っている。東南アジア市場への進出は、日本企業の海外出店がきっかけとなった。海外では入浴文化が異なるため、日本の成分設計は特に注目されている。入浴文化がない海外の人々にとって、入浴剤は、新鮮なものであり、また、日本へわざわざ旅行をせずとも、気軽に日本の温泉気分が味わえる「日本の名湯」はかなり需要が高いと考えられる ディスカッション 講演に続いて、フェローを交えたディスカッションの内容について、現在の課題とその解決策についてそれぞれをまとめた。 課題 ディスカッションで議論された課題は下記の通りである。 国内外の入浴文化の違い 海外の社交場としての入浴文化と日本の治療という目的として育まれてきた入浴文化が異なるため、文化の違いを踏まえて日本の文化としての入浴をどう海外に発信していくかが鍵となる。また、日本の入浴剤と海外のバスソルトの風呂釜の性質のために入浴剤の成分も異なってくるため、海外と日本の違いを生かした商品の開発、宣伝方法の施策が海外市場への展開において必要となってくる。 若年層の入浴離れ ライフスタイルの変化に合わせた商品の提案が求められる。シャワー中心の生活が定着しつつある若年層に対して、入浴の価値を再提案する必要がある。 啓発活動の課題 消費者に入浴の健康効果や楽しみ方を浸透させるための効果的な広報戦略が不足している。そのため、入浴に関心を持つ消費者が少ないため、湯船につかる人が減っている。 若者層への訴求 入浴文化に親しみが薄くなっているZ世代へのアプローチ方法が限定的である。「疲れを癒す」以外の目的で入浴を楽しむきっかけが少ない。 海外市場の競争力 輸送料も加わってしまうため高価格になってしまう商品が入浴文化のない現地の消費者に受け入れられにくい。日本独自の付加価値やブランド力、入浴することへの魅力、メリットを伝えきれていない。 温泉施設とのコラボ イベントや施設との協業が十分に活用されていない。消費者体験を通じたブランド認知拡大の機会が限定的である。 多様な顧客ニーズへの対応 新しい入浴の価値観として、特別な日や疲れた時に入るという日常づかいではなく特別な日のものとして使われつつある、入浴剤の新たな需要に対応しきれていない点がある。 解決策 上記の課題に対して、フェローより様々な提案がなされた。 薬湯と日本の入浴文化 薬湯(ショウブ湯、ゆず湯)は歴史が古く、江戸時代から存在していた。日本の入浴文化は治療目的が主であった。一方、海外では、社交場としての入浴が行われてきた。この文化の違いを踏まえ、日本の入浴文化が育まれてきた歴史的背景を生かしたマーケティングを展開し、海外の人々に日本の入浴文化を理解し、真似してもらうという異文化理解という付加価値を広める必要がある。バスクリンの製品の中で、実際に日本の温泉に入った気分を味わえる日本の名湯シリーズは、海外市場においてとても魅力的な製品であると考えられる。この製品の魅力を海外でどう発信していくかが海外市場への参入の鍵であると考えられる。 海外市場とバスソルト ヨーロッパではテルマエ文化やバスソルト市場が存在する。バスソルトは古代ローマ時代から社交場の要素を持つ文化に由来しているため、現地の文化にマッチする製品展開が可能。日本市場では追い炊き機能など様々な性能がついている風呂釜を痛めてしまうことを懸念し、日本市場での塩製品の普及は難しいが、追い炊き機能などがない海外市場では展開可能である。現地の文化に合わせた製品(バスソルトや香り中心の製品)の開発や美容効果を訴求した製品開発が鍵となる。 新製品とマーケティング 既存ブランドを基盤に10年に一度新ブランドを立ち上げている。社員の多くは温泉愛好家で、温泉地調査への専門性が高いので、そのことを活かしたマーケティング展開し、新製品開発に反映する。気分や状況に応じた新しい香りや効果の提案や「疲れを癒す」以外のシーン(例えば、リフレッシュや集中力アップ、活力の向上)に対応した新たな入浴の目的を作れるような入浴剤の開発を行える余地がある。 入浴トレンドの変化 若い世代の入浴頻度が減少する中で、コロナ禍での在宅時間増加が若年層の入浴習慣に影響している。半身浴や整う感覚など、コロナ禍で在宅期間が長くなり、家族とのコミュニケーションの場として入浴時間を重視する風潮が生まれた。これを機に新しい入浴スタイルの提案を展開。SNSで、新たな入浴方法を提案。SNSを活用したキャンペーンやプレミアム感のある商品ラインを展開。入浴文浴文化を楽しく発信するイベントやインフルエンサーを活用する。SNSを活用した広告戦略を強化する。 サウナと整う体験 サウナ体験を再現する入浴剤の開発に注力する。香りや発汗の効果を重視した製品を企画する。「整う」感覚を家庭でも楽しめるようにする。 啓発活動と睡眠 入浴と睡眠の関連性をSNSやYouTubeで啓発する。アスリートや専門家の証言を活用して、入浴による疲労回復効果を訴求する。ブランドショップやイベントでの体験型マーケティングを強化し、消費者のエンゲージメントを向上させる。地域密着型の体験イベントを開催し、消費者との直接接点を増やす。 専門性と継承 温泉調査員は「湯を識別する能力」を持ち、特定の条件を満たした人のみが任務に従事しているので、温泉専専門家のノウハウをブランドストーリーや製品開発に活用し、信頼性を高める。科学的根拠に基づく入浴の健康効果を発信する。スリープテック企業やフィットネス業界とのコラボレーションで新たな需要を喚起する。 Z世代へのアプローチ 若者向けにお風呂や入浴剤の利用促進を目指し、プレミア感や特別感を提供する必要性が議論された。特別な日の「ご褒美」としての入浴剤の価値の認識を強化する。Sでのキャンペーン展開やインフルエンサーの活用を強化し、楽しい体験としての入浴文化を提案する。 海外展開と価格設定 日本国内と海外での価格差が問題視され、現地での価値を考慮した価格設定が必要とされた。高級ブランドのように価値観の提案を重視する必要性が指摘され、高価格帯のプレミアムブランド戦略を採用しつつ、現地に合わせた製品ラインを開発。商品期的視点で現地文化に適応した戦略を展開する。商品の「体験価値」を重視し、ポップアップイベントや試供品配布する積極的に行う。 新しい温泉施設の利用シーン 温泉施設がイベント会場やホテルとセットで利用される傾向が増加している。イベントの前後や待ち時間に温泉が活用されている。温泉施設やホテルと協力し、特別仕様の入浴剤や限定プランを提供する。イベント開催時に、入浴剤のプレゼントや割引キャンペーンを実施する。 香りや効果によるターゲティング 入浴剤の商品設計では、リラックスやスキンケアなどの目的に応じた細分化が進んでいる。入浴中の香りや整う感覚に特化した製品をさらに開発。サウナやスパ文化に関連した製品ラインを拡充する。用感や満足度の向上を目指す。 共同体験の重要性 ブランドや商品の認知度を上げるために、実店舗での体験型イベントやポップアップショップの活用が効果的。入浴を手軽で楽しい体験に変える新商品の開発を行う。SNSを活用し、「自分時間」や「癒し」をテーマとしたプロモーションを強化する。顧客とのエンゲージメントを向上させる。 まとめ バスクリンの取り組みは、伝統を守りながらも革新を続け、時代に合わせた入浴文化の提案を行っていることが強調された。また、製品の開発の元となった温泉地への活性化の支援や会社全体でのエコに対する知識や理解の向上は、温泉と真摯に向き合い、製品開発をしてきたバスクリンだからこその温泉への敬意の表れであり、入浴する際に大前提として必要な水という資源を大切に思っているからこその取り組みであると感じられる。移り行く消費者需要への対応、海外市場への拡大という点においてまだまだ課題が残る中、これらの取り組みが持続的な成長につながるよう、さらなる革新と戦略的展開に期待したい。 文:青山学院大学経営学部 音地李花、松原順正
- 【イベント報告】第69回 Next Retail Lab フォーラム「アパレル店舗の海外進出の現状と未来」(2024/11/21)
2024年11月21日、第69回目となるNext Retail Labフォーラムが開催された。 Next Retail Labとは、「次世代の小売流通サービス」をテーマにした研究会であり、製造から小売りまでさまざまな業種に関する調査研究や、マーケティング視点での提言を行う任意団体である。 今回は、「アパレル店舗の海外進出の現状と未来」をテーマに、ワールド・モード・ホールディングス株式会社 代表取締役社長の加福真介氏と、同グループ会社である株式会社iDA 代表取締役社長の堀井謙一郎氏を講師に迎え、アパレル業界の現状と未来について講演が行われた。 また、講演に続き、Next Retail Labのフェローも参加したディスカッションが行われ、海外進出における課題や戦略について多角的に議論が交わされた。 越境ECやリアル店舗展開を活用し、海外市場での収益を最大化しながら、効率的な投資とリスク管理をどのように実現するのか。さらに、デジタル化やサステナブルな取り組みを通じて、ファッション業界が次の時代に向けてどのように持続可能な成長を遂げていくのか。加福氏と堀井氏の講演をもとに、アパレル業界のグローバル戦略をレポートする。 「アパレル店舗の海外進出の現状と未来」 講演概要 本講演では、海外進出を成功させるための投資戦略、越境ECからリアル店舗展開までの包括的支援、デジタルとサステナビリティを活用した未来志向のアプローチが解説された。また、グローバル市場での成功に向けた人材戦略の重要性や、コラボレーションの具体例も示され、参加者にとって実践的な示唆が得られる内容であった。 ワールド・モード・ホールディングスの創業と事業展開 ワールド・モード・ホールディングス株式会社は、1999年にSEPHORAの日本進出を支援するなど、ファッション業界での実績を積み上げてきた。SEPHORA撤退時には、約300名のスタッフ雇用を守るという挑戦を成功させ、業界内での信頼を確立した。現在では、ファッション・ビューティー業界に特化した国内外唯一のソリューショングループとして、1,550社以上を支援し、業界全体の成長を牽引している。 グローバル展開の背景と現状 コロナ禍以降、越境ECの普及とインバウンド需要の急増がグローバル市場の変化を促進している。こうした状況を踏まえ、日本企業が海外進出を目指す際には、包括的な支援スキームが重要となっている。ワールド・モード・ホールディングスは、越境ECから現地店舗運営までを一貫してサポートする体制を整えており、新市場での競争力を高めている。 海外進出を成功させる戦略 海外展開を成功させるためには、効率的な投資とリスク管理が重要である。講演では、越境ECを活用したデータ分析を基に現地店舗展開を進めるアプローチや、グローバルCRMや生成AIによる顧客価値の向上が示された。また、現地企業との強固なパートナーシップの形成が、リスクを抑えつつ収益を確保する成功事例として紹介された。 人材戦略と教育支援の重要性 株式会社iDAは、ファッション・ビューティー業界に特化した専門性の高い人材派遣サービスを提供している。国内外で約8,000人のスタッフが稼働しており、現地スタッフの教育や研修を通じて組織力を向上させている。こうした人材戦略が、海外進出における競争力の源泉となっている。 デジタル化とサステナビリティ対応の未来 デジタル化の推進により、省人化オペレーションや業務効率化が進み、従業員が付加価値の高い業務に集中できる環境が整えられている。また、企業や学校との連携による新たなブランド創出や、持続可能な労働環境の実現など、サステナビリティに配慮した取り組みも進行している。 未来に向けた課題と展望 グローバル市場での成功には、オムニチャネル戦略が欠かせない。越境ECや現地ECを活用しながら、顧客体験を向上させる仕組みを構築することが重要である。また、持続可能で豊かな労働環境を実現するために、企業全体でのサステナブルな取り組みが今後の鍵となる。 【ディスカッション】 日本のファッションブランドの海外展開と市場適応戦略 講演に続き、Next Retail Labのフェローらが参加しディスカッションが行われた。一部を抜粋して紹介する。 ■ディスカッション参加フェロー 川添隆氏(エバン合同会社 代表取締役) 五月女由紀子氏(杉野服飾大学 教授) ディスカッション内容 海外からの人材の流入と多国籍化 日本では絶対的な人手不足が進行しており、特に店頭販売員が不足しているという問題がある。このため、ワールド・モード・ホールディングス株式会社としては販売人を確保するのが困難な状況になっている。また日本企業は、海外の大学や語学学校、シンガポール政府のイニシアチブを活用し、海外で販売員を育成している。シンガポールでは、助成金を活用して販売員の能力向上プログラムが開始され、来年から本格的に始動する予定。コロナ前は台湾から多くの人材が来ていたが、現在はマレーシアやオーストラリアからの人材流入が増加しており、以前の中国人中心から多国籍化が進んでいる。円安の影響もあるが、日本で学びたいという意欲を持つ人々が増えている。 日本のアニメ産業の成長と可能性 日本のファッションブランドはアジアでは尊敬されているものの、韓国ブランドに対して劣位にあるとの認識がある。また日本のアニメは急速にグローバルでの影響力を拡大しており、輸出産業として4.9兆円規模に達している。アニメとファッションのコラボレーションが日本のブランド戦略において新たな可能性を生み出す可能性がある。アニメの人気は日本以上に海外で強く、例えばルフィやポケモンのキャラクターが商業施設で広く認知されている。これを活かしたコラボレーションは日本ブランドにとって大きなチャンスとされている。 顧客との密接な関係と成功事例の活用 海外展開において、ECだけでなく卸売を活用する可能性について言及。特に米国などでは、卸売を活用した進出が効果的であると提案されている。またファッション業界は変化に対して抵抗感が強く、ビジネスの進行がシーズンごとの仕込みに追われて振り返りが弱いという課題がある。変革を進めるためには、どうやって業界の固有の慣習を打破するかが重要なポイントになってくる。この解決策として、顧客との距離を縮め、成功事例を共有することで、変化を促進することが挙げられる。長年の関係性を活かし、提案書の作成や業務支援を通じて、新しい挑戦を一緒に進めることがワールド・モード・ホールディングス株式会社の強みとなっている。 ライブコマースとEコマースの融合 ライブコマースとEコマースの境界をなくし、ファッション業界を盛り上げるために、シンガポールで研修プログラムを実施する予定である。また中国市場進出を検討しているが、新日の国を選ぶことが重要とされ、現地パートナーとの協力を強調した。る. 自社だけでなく、仲間とともにアジア展開を支える方針が示されている。さらに東南アジア、特にベトナムでは、若い人口の増加と富裕層の拡大が見込まれており、日本で経験を積んだベトナム人がファッション業界に貢献する可能性が高いと述べられた。日本企業の進出に向けた環境整備が進むことが期待されている。 日本のファッションブランドの海外展開の課題 日本のファッションブランドが海外に進出する際、特にアジア市場では競争が少ないため、逆にブームを作りやすい可能性がある。特にドバイなどの中東市場では、日本のブランドは影響力を持っていないことが多く、逆にチャンスと捉えることができる。また複数の日本ブランドが連携し、ECサイトでの展開を図る形で、ブランド同士が協力し合う新たなビジネスモデルが提案されている。百貨店の空きスペースを利用した共同出店の形で、複数ブランドが集まり、海外市場に向けて商品を提供する方法が示唆されている。マレーシア市場などでは、現地の文化(例:ヒジャブを着用している女性)に合わせた商品展開が求められる。日本ブランドが現地のファッションスタイルを理解し、どのように商品を合わせるかを試行錯誤しながら展開していく必要がある。 まとめ 全体の総括 本講演では、海外進出を成功させるための投資戦略や包括的支援体制、デジタル技術やサステナビリティを活用した未来志向のアプローチが紹介された。特に、越境ECと現地店舗運営の一貫サポート、効率的な投資とリスク管理、グローバルCRMや生成AIを駆使した顧客価値の向上が重要な要素として強調された。また、ファッション業界における人材戦略やデジタル化推進、オムニチャネル戦略がグローバル市場での競争力向上に寄与することが示された。ワールド・モード・ホールディングス株式会社の経験を基に、現地企業とのパートナーシップ形成やサステナブルな取り組みの必要性も強調され、実践的な示唆が提供された。 またディスカッションでは、日本のファッション業界が抱える人手不足や海外進出の課題に対し、多国籍化する人材戦略やアニメとファッションのコラボレーションを活用した新たな戦略が紹介された。特に、シンガポールやベトナムなどのアジア市場での人材育成や、現地文化に適した商品展開の重要性が強調された。また、ECと卸売を活用した進出方法や、ライブコマースとEコマースの境界をなくす取り組みが示され、業界の変革には顧客との距離を縮め、成功事例を共有することが鍵となった。さらに、アジア市場や中東市場でのチャンスを最大限に活かすための戦略が提案され、日本ブランドのグローバル展開に向けた具体的なアプローチが示された。 文:青山学院大学経営学部経営学科 宮野葵、青山学院大学経営学部マーケティング学科 杉木莉沙子
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- ネクストリテールラボ | 次世代の小売流通"をテーマとした研究会
Next Retail Labは、商品開発〜製造〜商品流通〜小売までの幅広い領域において、フェロー並びに幹事による研究・調査を基にしたタイムリーな情報提供・商品の売りに対する研究活動・マーケティング課題に関する受託活動を行います。 Image by Artificial Photography Image by Korie Cull Image by Marcin Kempa Image by NeONBRAND Image by Alexander Kovacs Image by Kevin Jarrett Image by Markus Winkler Image by Markus Spiske Image by Carli Jeen フードトラックの支払い 支払い処理 棚に並んだ小包 和柄のがま口ポーチ 交差点の空撮風景 駐車場 Next Retail Labの活動 Next Retail Lab "次世代のリテールビジネス" をテーマとした研究会 Next Retail Lab の活動 Next Retail Labは、商品開発〜製造〜商品流通〜小売までの幅広い領域において、次世代のリテールビジネスをフェロー並びに幹事による研究・調査を基にした ①タイムリーな情報提供 ②商品の売りに対する研究活動 ③マーケティング課題に関する受託活動 を行います。 近日開催のイベント 開催予定のイベントはただ今準備中です。 次回もお楽しみに! 主旨 業界間の垣根を取り払い製造から小売までの幅広い業界をブリッジした視点でディスカッションを重ねて小売流通にとって有効な姿を示し、ネットとリアルが融合した新たな価値創造の研究と市場の競争力向上に寄与します。 主旨 ごあいさつ 新型コロナの影響により、様々な分野で変革の時が訪れてきました。DX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みにより、オンラインと店舗としてのオフラインがシームレスに繋がりネットとリアルの融合(Online Merges with Offline)の時代が訪れようとしています。 そこで「日本の小売流通業をもっと元気にしたい」その思いで、2017年に次世リテールビジネスの研究会「Next Retail Lab」を設立しました。 当会は、活動の趣旨に賛同して頂ける方であれば、業界、業種、分野の壁を取り払い、どなたでもご参加頂けます。 この研究会の特徴としては、第一線で活動されている著名な方々を当会のフェローとしてお迎えして、定期的に開催しておりますフォーラムの際には活発な議論がされています。 このフォーラムでは、最先端のビジネスを展開されている企業の方から江戸時代からの伝統を保ちながら時代に即したビジネスを展開されてきた老舗企業の方に登壇して頂き、この場でしか明かされない貴重なお話を伺った後、フェローの方々とディスカッションを行っております。 今後は、モノからコト、所有から利用等、消費者の意識や行動に寄り添う未来指針の提言や実証を行い、社会実装を目指した活動を行って参ります。 何卒、多くの方々にご参加頂けることを願っております。 次世代リテールビジネス研究会 Next Retail Lab 理事長 菊原 政信 ごあいさつ 組織体制 Next Retail Labは、その趣旨に基づき賛同を得られた正会員/フェロー/理事によって組織される任意団体です。 当団体は正会員/フェロー/理事の意見を反映し、常任理事会が運営します。 意思決定の最高機関は常任理事会となりますが、理事の総意を持って決定は行われます。フォーラム運営など日常的な運営業務及び会員/一般参加者募集など当団体の経営に関わる活動は常任理事会メンバーが担当し、健全な運営を行います。 菊原政信 理事長(常任) プロフィール フィルゲート株式会社 代表取締役社長 田中良治 理事(常任) プロフィール 株式会社セブンスイッチ 代表取締役社長 山本貴大 理事 プロフィール 株式会社山本海苔店 代表取締役社長 藤元健太郎 理事(常任) プロフィール ディー・フォー・ディー・アール株式会社 代表取締役社長 中見真也 理事(常任) プロフィール 神奈川大学経営学部国際経営学科 准教授 玉木欽也 理事 プロフィール 青山学院大学 経営学部教授 和田務 理事(常任) プロフィール 株式会社シーズファクト 代表取締役社長 林直孝 理事 プロフィール J.フロント リテイリング株式会社 執行役常務 グループデジタル統括部長 組織体制 協力会社 協力会社 アクセス 〒150-8366 東京都渋谷区渋谷4-4-25 青山学院Hicon内 Next Retail Lab 事務局 TEL:03-6427-9470 アクセス
- 第68回Next Retail Lab forum | Next Retail Lab
第68開催 Next Retail Lab フォーラム 今回の講演は下記の2部構成となります。 第1部 [オンラインがオフラインを変える!ユーザーレビューと動画で売上アップ!!「UGCサイネージ」とは?] 第2部 [NRF2025に出展決定! 無人化・省力化が進む店舗のUXを3Dボディスキャナー「iBODY」が創出。] お申し込みの受付は終了しました。 開催予定のフォーラム一覧に戻る Share 2024年10月24日木曜日 渋谷区 第68回Next Retail Lab forum ~ 9:30 12:30 デジタル社会ではネットとリアルにおいて顧客との接点を持つことが重要視される時代です。 そこで、今回は【企業と顧客が「人と人」として寄り添い、手をつなぎ、共に豊かな時間を創ることを提案する企業】、株式会社顧客時間( https://www.kokyaku-jikan.jp/ )奥谷 孝司氏(共同CEO/代表取締役)、岩井 琢磨氏(共同CEO/代表取締役)をゲストスピーカーにむかえ、「経営戦略としてのCXデザイン ~顧客時間が実践する思考体系~」について講演頂きます。 株式会社顧客時間様は、今年6月MBO(経営陣による買収)されました。その経緯や今後の展望など貴重なお話も伺います。 その後当会のフェロー・ゲストを交えテーマを更に深堀したディスカッションを行います。 軽飲食をとりながらの、講演者、フェロー、参加者の方々との交流の時間を設けました。ぜひ会場でフォーラムにご参加ください。 今回の会場は、「スペース中目黒」様にご提供頂きました。 https://www.nakameguro.space/ 中目黒駅徒歩1分 多目的スペース&撮影・収録・配信スタジオ 100名規模の多目的スペースと、撮影・収録・配信が 可能な2つのスタジオ 「SPACE CYAN」「SPACE MAGENTA」 「SPACE YELLOW」と、カラーをテーマに名付けられた会場が、 利用される方が自在に表現できる独創的でクリエイティブな空間を提供します。 テーマ:「経営戦略としてのCXデザイン ~顧客時間が実践する思考体系~」 ■講師 株式会社顧客時間 共同CEO/代表取締役 奥谷 孝司氏 【プロフィール】 1997年良品計画入社。店舗勤務や取引先商社への出向(ドイツ勤務)、World MUJI企画、企画デザイン室などを経て、2005年衣料雑貨のカテゴリーマネージャー「足なり直角靴下」としてを開発して定番ヒット商品に育てる。 2010年WEB事業部長に就き、「MUJI passport」をプロデュース。2015年10月オイシックス株式会社(現オイシックス・ラ・大地)に入社し、COCO(チーフ・オムニ・チャネル・オフィサー)に就く。 2017年にEngagement Commerce Labを設立。 2018年株式会社顧客時間設立。 早稲田大学1997大学院商学研究科修士課程修了(MBA)。 2021年3月一橋大学大学院経営管理科博士後期課程単位取得満期退学 著書に『世界最先端のマーケティング 顧客とつながる企業のチャネルシフト戦略』(共著、日経BP社)がある。 オイシックス・ラ・大地株式会社 COCO 日本マーケティング学会理事。 株式会社顧客時間 共同CEO/代表取締役 岩井 琢磨氏 【プロフィール】 1993年博報堂DYグループに入社。インストア・プランナー、クリエイティブ・ディレクター、ブランドコンサルタントとしての企業再生プロジェクト参画を経て、Chief Project Manager。 2018年9月株式会社顧客時間を設立。共同CEO代表取締役に就任。Head of Managementとして、顧客時間に参画する多様なスペシャリストと共に、製造業・流通サービス業・金融業などにおけるCX変革プロジェクト・事業開発プロジェクトの設計・支援を行っている。 早稲田大学大学院商学研究科修士課程修了(MBA)。 内田和成研究室所属。 著書に『マーケティングの新しい基本』(日経BP)・『世界最先端のマーケティング 顧客とつながる企業のチャネルシフト戦略』(日経BP)・『イノベーションの競争戦略』(東洋経済新報社)・『ゲームチェンジャーの競争戦略』(日本経済新聞出版社)・『オムニチャネルと顧客戦略の現在』(千倉書房)・『物語戦略』(日経BP社)などがある。 日本マーケティング本大賞など受賞多数。 株式会社Marketing Design Network代表取締役 日本マーケティング学会理事 株式会社 AgeWellJapan 顧問 明海大学非常勤講師 ■ディスカッション参加フェロー ・濱野 幸介氏 プリズマティクス株式会社 代表取締役 【プロフィール】 https://www.nr-lab.net/fellow/%E6%BF%B1%E9%87%8E%E5%B9%B8%E4%BB%8B ・髙野 一朗氏 モーターホーム株式会社 代表取締役 / opportunity creator 【プロフィール】 https://www.nr-lab.net/fellow/%E9%AB%99%E9%87%8E-%E4%B8%80%E6%9C%97 ■ホスト 菊原政信 フィルゲート株式会社 代表取締役(NRL理事長) 【プロフィール】 https://www.nr-lab.net/directors/%E8%8F%8A%E5%8E%9F%E6%94%BF%E4%BF%A1 ■モデレーター 藤元健太郎 D4DR株式会社 代表取締役(NRL常任理事) 【プロフィール】 https://www.nr-lab.net/directors/%E8%97%A4%E5%85%83%E5%81%A5%E5%A4%AA%E9%83%8E ■日時・タイムスケジュール 2024年9月25日(水) 18:00 受付開始 18:30開始 講師 講演 19:30 ディスカッション 20:30 交流会 ※オンラインの方はこちらで終了となります。 21:30 終了予定 ■会場 スペース中目黒 https://www.nakameguro.space/ 東京都目黒区上目黒2-9−35 中目黒GS第2ビル 2階 オンライン:ZOOM&Facebook Next Retail Labフォーラムグループ ■参加費: リアル会場 軽飲食付 1人3,000円 オンライン Zoom /Faccebook NRLフォーラムグループ 無料 https://www.facebook.com/groups/nextretaillab ※Facebook NRLフォーラムグループへのご参加未登録の方は登録申請が必要となります。 【お申込みはこちら】 https://nrl-forum67.peatix.com *参加お申込期限は2024年9月24日23時59分までとなります。 *ZOOMでご参加の方は開催前に参加URLを送らせて頂きますが、ご案内が届かなかった場合は事務局までお問合せください。 *Facebook Liveでご覧になる方は下記のFacebookフォーラムグループに登録して頂きますと御覧頂けます。 https://www.facebook.com/groups/nextretaillab ■主催 Next Retail Lab ■共催 フィルゲート株式会社 D4DR株式会社 株式会社シーズファクト 株式会社セブンスイッチ ・お申込で記入頂いた情報は今後有益な情報をお届けするために、共催社、協力社と共有させていただきます。共有を希望されない方は事務局までご連絡ください。 ■運営協力 ・青山学院ヒューマン・イノベーション・コンサルティング株式会社 ・株式会社マーケティングジャンクション ■会場協力 スペース中目黒 https://www.nakameguro.space/ 中目黒駅徒歩1分 多目的スペース&撮影・収録・配信スタジオ 100名規模の多目的スペースと、撮影・収録・配信が 可能な2つのスタジオ 「SPACE CYAN」「SPACE MAGENTA」 「SPACE YELLOW」と、カラーをテーマに名付けられた会場が、 利用される方が自在に表現できる独創的でクリエイティブな空間を提供します。 ■次世代小売り流通研究会 Next Retail Labについて Next Retail Labは、商品開発~製造~商品流通~小売までの幅広い領域において、フェロー並びに幹事による研究・調査を基にした(1)タイムリーな情報提供(2)商品の売りに対する研究活動(3)マーケティング課題に関する受託活動を行っています。 業界間の垣根を取り払い製造から小売までの幅広い業界をブリッジした視点でディスカッションを重ねて小売流通にとって有効な姿を示し、ネットとリアルが融合した新たな価値創造の研究と市場の競争力向上に寄与します。 公式ホームページ: https://www.nr-lab.net/ ■本件に関するお問い合わせ Next Retail Lab事務局 東京都港区南青山5-2-1 ALLIANCE 4階 フィルゲート株式会社内 TEL:050-1807-4371 e-mail:info@nr-lab.net 参加申込 お申し込みの受付は終了しました。 開催予定のフォーラム一覧に戻る CANCELED
- 第71回Next Retail Lab forum | Next Retail Lab
テーマは「リサイクル型社会をリテールとマーケティングで促進するには?」です。 無料ですので是非お足をお運びください。もったいないバナナ体験会付きのイベントになります。(提供株式会社ドール) お申し込みの受付は終了しました。 開催予定のフォーラム一覧に戻る Share 2025年3月6日木曜日 渋谷区 第71回Next Retail Lab forum ~ 10:00 12:00 参加申込 お申し込みの受付は終了しました。 開催予定のフォーラム一覧に戻る ENDED