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第54回Next Retail Labフォーラム開催レポート「店舗スタッフと顧客との関係性から始まる店舗DXの未来」


12月15日、第54回目になるNext Retail Labフォーラムが開催された。

今回はゲスト講師に小野里寧晃氏(株式会社バニッシュ・スタンダードCEO/代表取締役)をお招きし、「店舗スタッフと顧客との関係性から始まる店舗DXの未来」をテーマにご講演いただいた。



小野里 寧晃 氏

1982年10月24日群馬県前橋市生まれ。2004年大手Web制作会社に入社、EC事業部長として主にアパレル企業などのECサイト制作に従事。2011年株式会社バニッシュ・スタンダードを設立。EC構築から運営の全てを請け負うフルフィルメント事業を提供する中で「店舗を存続するEC」を目指し、2016年に店舗スタッフをDX化させる " スタッフテック " サービス「STAFF START(スタッフスタート)」を立ち上げる。




■ホスト:菊原 政信 フィルゲート株式会社 代表取締役(NRL理事長)

■進行・モデレーター:藤元 健太郎 D4DR株式会社 代表取締役(NRL常任理事)

■ディスカッション参加フェロー:

・村山 らむね 氏 有限会社スタイルビズ 代表取締役

・川添 隆 氏  株式会社ビジョナリーホールディングス 取締役 CDO 兼 CIO

・徳力 基彦 氏  note株式会社 noteプロデューサー/ブロガー

・高野 一朗 氏 モニターホーム株式会社 代表取締役/opportunity creator



目次

1 店舗スタッフが自社ECサイトで接客販売する「STAFF START」とは

2 店舗スタッフを起点にOMOを実現

2.1 ①店舗スタッフの投稿が共感を呼ぶ

2.2 ②共感から指名購入

2.3 ③指名購入から指名来店へ

3 まとめ


店舗スタッフが自社ECサイトで接客販売する「STAFF START」とは

バニッシュ・スタンダードが提供するサービス「STAFF START」は、店舗スタッフが自社ECサイトでオンライン接客ができるアプリである。各スタッフがコーディネート、レビューなどのコンテンツを自社ECサイトに投稿ができるようになっており、その投稿やオンライン接客の成果を計測・可視化して、スタッフにその売上や評価を還元することができる。

現在、利用ブランド数は2100を超え、アパレル業界に限らず、家具業界、家電業界、コスメ業界など多様な業界に広がっている。「STAFF START」を活用して店頭の約100倍の個人売上実績を上げたスタッフもいるという。



店舗スタッフを起点にOMOを実現

「STAFF START」を使うことで売上を伸ばすには、「共感」が鍵となる。顧客が店舗スタッフの投稿に共感することで、ファンになり商品を購入するようになるのである。「STAFF START」の活用における成功例について、小野里氏は3つのステップに分けて分析している。


①店舗スタッフの投稿が共感を呼ぶ

これまで各ブランドはプロのモデルが服を着ている写真をイメージ写真として使ってきたが、多くの顧客にとっては自分とモデルの体型が離れており、実際の着用時のイメージが湧きにくい。顧客に必要なのは、自分と似た体型のスタッフが商品を着用・使用している写真なのだ。

また、一般的にそれぞれの商品には多くのコーディネートが存在する。数多くのスタッフが考えたそれぞれのコーディネートの写真があれば、その真似をしたり、自分のワードローブに取り入れるイメージをしたりして、購入の後押しになる。

顧客は数多くの投稿の中から、自分の好みのテイストや骨格・スタイルが合うスタッフを探し、継続的に投稿を見ることで共感を重ねていくのである。


②共感から指名購入

「STAFF START」には、各スタッフがアプリから個人のInstagramやYou Tube等のSNSに誘導することができる機能がある。

同じスタッフに何度も共感した顧客は、スタッフ個人のSNSをフォローする傾向にある。そこからスタッフのコーディネートだけではなく、人柄を知り、やがてファンになり、指名購入するようになるという。


このポイントについて、フェローの高野氏から「お得意様」になる顧客について質問があった。

高野氏:店舗スタッフ個人の指名買いをするほどのファンを獲得する秘訣はあるか。

小野里氏:なぜお得意様が獲得できるか研究している途中ではあるが、お客様のニーズも分析しながらコーディネートを提案する・お客様との接触回数を増やすといった施策で、ある程度は再現ができている。しかし所感として、やはり重要なのは人間力だと思う。「なぜ好きになるのか」まで掘り下げようとすると難しい。これをどう定量化するかが今後のテーマになる。人間味がある人、特に同性に好かれる人が、販売力が大きいのがわかっているから、なぜ同性に好かれるかを自分達でアルゴリズムを理解し数値化していきたい。


③指名購入から指名来店へ

スタッフの中には、ロケーションに関係なく顧客が接客をしてほしいと来店するほどの人材もいる。時としてブランドそのものの魅力以上にスタッフの持つ力が大きいこともある。

ここには特にリアル店舗の価値が問われる昨今において重要なヒントがあるということで、ディスカッションでもさらに掘り下げる議論が行われた。


村山氏:洋服を買うとき、服を着替えて試着室から出ると、店舗スタッフが「お似合いですよ」とお世辞でも褒めてくれると嬉しいと私は思う。褒めて人を嬉しくさせるのが、人が持つ力と言えると思う。

藤元:試着室を出たときに褒めてもらえる体験は、来店したときならでは。

坂野氏:重要なのは期待値だと思う。最初は嬉しく感じたことも、同じ刺激を繰り返すことで期待値を超えるハードルがどんどん上がってしまう。その期待値をうまくコントロールするのが店舗スタッフの役割かもしれない。というのも、これまで期待値のコントロールを機械に任せようとしては失敗してきた。人が期待値を上手くマネジメントできるように、環境としての仕組みを作ることが「STAFF START」の役割ではないか。



まとめ

全体を通して、小野里氏が店舗スタッフの目線に立っている点が印象的な回であった。売上を伸ばすことを目指すのはもちろん、共感やファンを得ることに成功し貢献したスタッフをきちんと評価することで、ポジティブなサイクルが生まれている。その評価と還元がスタッフにとっても成功体験になり、モチベーションにつながっているのだ。

今や消費スタイルは多様化・細分化し、モノやサービスの良さ以上に、消費行動に付随する体験や意義が重視されている。顧客の一番近くにいる店舗スタッフが自由に挑戦し、評価される環境を作ることが、ひいては顧客に魅力的な体験を提供するための重要なポイントになるだろう。




主催:Next Retail Lab

問い合わせ先

電話:03-6427-9470

e-mail:info@nrl-lab.net





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